熊対策のことについてゆる~く語ってみる |
以前の記事
カテゴリ
全体 ごあいさつ 山行記録 年度別振り返り テーマ別まとめ 北海道 北東北 南東北 那須・日光・尾瀬・谷川 群馬・栃木・茨城 秩父・奥多摩・高尾 丹沢・房総・伊豆諸島 富士・箱根・伊豆 奥秩父・大菩薩 浅間・志賀 越後・北信 北アルプス 中央・南アルプス 八ヶ岳・諏訪松本 東海・北陸・近畿 中国・四国・九州 登山あれこれ 未分類 検索
最新の記事
記事ランキング
画像一覧
フォロー中のブログ
外部リンク
ブログジャンル
ブログパーツ
|
2024年 03月 16日
熊による被害がニュースを賑わせた昨年2023年。 環境省による今年2月2日時点でのまとめでは令和5年度(2023年度)の被害者数はこの1月までの10か月で218名、うち死亡者が6名と、平成20年度以降の16年で最悪となりました。 登山では北海道の大千軒岳で登山者が襲われて亡くなられた痛ましい事故がありました。 北海道で登山者がクマに襲われたことによる死亡事故は1970年の大学生パーティがヒグマに襲われ3名が亡くなった有名な事故以来とのこと。 自分は登山のほか渓流釣りも40年以上趣味としていて熊には気を付けてきたのですが、例年に増して熊に神経をとがらせた1年でした。 言うまでもなく登山をするうえで熊対策は重要なテーマの1つです。 今回は登山をするうえで避けては通れない、熊対策のことを語ってみたいと思います。 ゆる~くね。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 1.熊とは 改めて「熊」ですが、日本に棲息しているのはヒグマとツキノワグマの2種類です。 まずはヒグマ 北海道のみに棲息していますが、日本百名山利尻山で知られる利尻島は、稀に海を渡って来たと思われる個体の目撃例があるようですが定着はできていないようです。 もう1種類はツキノワグマ ツキノワグマは現在本州と四国に棲息しており、九州にはいません。 九州では1957年に宮崎で幼獣の死体が発見されたのが最後で、その後1987年にイノシシ猟師が射止めましたがDNA鑑定で本州から持ち込まれた個体であることが判明、2012年に環境省が九州の熊絶滅宣言を出しています。 四国では絶滅宣言はされていないようですが近年目撃されてはおらず、また本州でも千葉県には縄文時代以来一切の痕跡・文献記録がなく棲息していないものと考えられているそうです。 生息域ですが、森林帯や原野だけでなく市街地でもしばしば出没して騒動になりますし、森林限界を超えたような高地にも出没することがあります。 また標高2450mの常念小屋の付近では結構見かけるそうで、今年常念岳に登ろうと思っている自分は今から((((;゚Д゚))))になっています。 熊の食性は雑食。フキやセリ・水芭蕉・ドングリの実などの草本類や蟻・蜂などの昆虫類、サケマスなどの魚類、鹿などの哺乳類と、何でも食べます。 色々な文献を読んでいると植物性のものが多いとされていますが、それは結果論で、採り(獲り)やすい+たくさん採れるものが優先されるということなのでしょう。死体ではない限り動物を食べるのは労力がいりますから。 苦労しても鮭1匹獲れればドングリを長い時間かけて採るより効率的な状況だとしたら鮭にシフトすることもあるのかもしれません。結局コスパの問題なのかな?と思います。 後はおいしいもの。仮に熊にとってコスパが悪くとも麻薬的な効果があるのだとすれば執着してもおかしくありませんね。 人間の食べ物はおいしいから一旦味を占めてしまうと執着するからゴミは残さないようにとされています。 でもそれって人間としての味覚を前提にしていない?熊はドングリよりパンの方がおいしいと思うのだろうか?熊に聞いたんだろうか?実験検証でもしたんだろうか? おいしいからなのか?登山者がよくゴミを残してくれるから餌を採るのに効率的だからなのか? 良くわかりませんね。もちろんゴミを残すことが良くないのは理解できます。 2.熊被害の実態 今回の記事は最近の熊の目撃数の増加・被害の増加を受けてのものですが、そもそもなんで増加しているのでしょうか? 1つには個体数が単純に増加しているという説があります。個体数が増加すれば目につきやすくなるのは言うまでもありません。 熊の保護の観点から狩猟を禁止・制限していることにより増加したとか、ハンターが高齢化した・人数が減ったことが要因として挙げられています。 いま1つは生息域が拡大しているという説。集落にまで熊が出てくれば人の目につきやすくなりますね。 個体数が増加した結果パイが少なくなり、餌場を求めて生息域を拡大せざるを得なくなった結果だという話があります。 あるいはここのところの猛暑や大雨といった異常気象がもたらす自然環境の変化により餌が少なくなったことに原因を求める人もいます。 あるいはまた昔と比べて集落に人がいなくなり手が入らなくなった結果、人間の領域と熊の棲む領域との区分が明確でなくなり熊が侵入してくることが多くなったからという人もいます。 色々言われているわけですが、個人的にはあまり関心がありません。報道で「過去最高」とか言われるともちろん神経を尖らせますが、最高であろうとなかろうと熊はいるわけだから対策はしないといけないわけで。 もう心理的に耐えきれないと思えば、利尻や千葉・九州など熊がいないとされる山だけ登るか、あるいはいっそのこと登山は辞めてしまうかということになりますが、現状はそこまでではないでしょう。 で、実際に関心があるのは熊に極力遭わないための方策、そして遭った時にどうするかということです。 自分がお金を払って読んだ書籍としてはこんな本があります。 ①姉崎等「クマにあったらどうするか」(2014年 ちくま文庫) 先日改めて読み直してみましたが、「家畜を襲うクマは捕まらない」という節があって、ここ数年道東で家畜を襲い続けていて昨年駆除されたOSO18と同じだなこれ、と思いました。 現在はkindleで利用できるようです。 ②つり人社編「熊!に出会った襲われた その時クマとヒトはどうしたか?超リアルな実録体験談」(2016年 つり人社) 現在、kindleのほか紙の本でも購入できます。 3.自分と熊の遭遇 自分は一応登山歴・渓流釣り歴とも40年以上にはなります。 熊の「巣窟」と言われるようなところに行くことはそれほどありませんが、熊がいてもおかしくない・熊の目撃情報があるというレベルであればかなりの回数、足を運んできました。 これまで痕跡はしょっちゅう見てきましたが、野生の生体を見たのは車の中から2回、釣りの最中に1回に過ぎません。 恐らく熊の方が自分をやり過ごしていたのでしょう。 登山中で熊の姿を見たことはありませんが、2017年5月の高原山で唸り声を聞いたことがあります。 4.なぜ熊が人間を襲うのか 熊が人間を襲う理由としては一般に次の3点が言われているでしょうか。 ①自己防衛 これは言うまでもないですね。自分が襲われそうになったら抵抗しますよね、人間だって。生物の本能。 ②子熊を守る これも生物の本能。母は強し。 ③餌に執着 これも生物の本能、生態系の頂点に立つ熊ならなおさらのこと。そして餌が少ない状況であればあるほど執着度は強くなるでしょう。あるいは自然界にあるものよりおいしい食料であれば執着度は高くなるでしょう。 これに加えて復讐心というものが熊にはあるのではないかと個人的には思っています。 集団で熊追いをしてその中の猟師が熊を狙って発砲するも致命傷にならなかった。手負いの熊は実際に発砲した猟師だけをつけ狙って殺したという話があります。こいつ許すまじ、子々孫々のためにこいつだけは生かしておいちゃいけない、なんて思うことがあるのかもしれません。 また山菜取りの最中の事故が多いのも、お互い気が付かずに鉢合わせしてしまった結果ということもあるのかもしれませんが、自分の餌場に浸食しやがって許せんという思いもあるのかもしれません。 この復讐心仮説が妥当するとして、結局は①~③に帰着する話かもしれませんが。 人間を餌と思って襲うことがあるのか? 生まれながらに本能として餌と思うことはないでしょうが、後天的に、何かしらのきっかけで餌と認識するようになることはあるかと思います。出会い頭に遭遇し驚いた熊が驚いて攻撃した結果人間を殺してしまった、そして人肉を口にしたところおいしかった、とか。 先に紹介したアイヌの方の本にも同じことが書かれていますし、大正時代の有名な三毛別事件、次々と人間を襲い7名の死亡者を出した日本最悪の熊害ですが、その熊も人肉を食べたり、人間が回収した死体を取り返そうとしたことが知られています。また、同じ熊は三毛別の前にも別の地域で人間を襲って食べていたという話もあります。 人間そのものを餌とは思わなくとも、人間が所持している食べ物を狙う、追剥ぎをする熊というのはいますね。 1970年の北海道の登山者の事件はその1つでしょうし、秋田県の最近の事例でも山菜取りの人を襲って収穫物である山菜を食べる熊の存在が指摘されています。 5.熊対策①遭遇しないようにするための熊鈴 熊鈴は有効、だと思う で自分の熊対策ですが、ありきたりですが、やはり熊鈴です。 熊は人を恐れるものだ、だから自分の存在を熊に知らせるのが重要だ、と。良く言われるこの仮説ですが、かなりの程度成立しているものと思っています。 札幌だったかな?登山道に設置された定点カメラが捉えた鈴の音が聞こえた途端熊が逃げていく動画を見たことがあります。 秩父の登山者あるいは岩手のキノコ狩りの人が熊に襲撃された動画をupされていて最近話題になっていましたが、動画を見る(聞く)限りいずれも音の鳴るようなものを携行していませんよね。 鈴は携行しない主義の実際の知人の話を聞いていると、あるいは携行しない主義の人のSNS等を追っかけていると、熊に遭遇していることが極めて多いです。 逆に自分がそれなりに釣りや登山で熊の生息域に入っているにも関わらず1度しか見たことがないのは、鈴を携行して鳴らしているからだろうと思っています。高原山で唸り声を聞いた時も、それまでは鈴を鳴らしていませんでしたし。 山菜採り・登山者・渓流釣り。山に入る人の中で熊の被害を受けているのは圧倒的に山菜取りの方かと思います。 山菜取りは熊の餌場にもろに入り込んでいくわりには、熊による事故があっても躊躇しない人が多い。山菜はそこそこいいお値段で売れるということもあるのでしょうけど。 しかも山菜取りの人は熊鈴など、音の鳴るものを付けていない人が多いですね。山歩きや渓流釣りで歩いているとガサゴソ音がしてステイ、熊か鹿かと思ったら実は山菜取りだったということはしょっちゅうあります。 秘密のポイントを知られたくないという意識から鈴などを付けたくないということなのかもしれませんが、それも山菜取りの被害が多い1つの要因だと思っています。もちろん母数を考慮する必要はあるとは思いますが。 出会い頭の接触を避ける、襲われなければOK 熊鈴付けても熊に会ったことあるし熊鈴なんて意味ないよ、という人も多いですが、熊による被害を回避すれば足りるわけです。 熊だって鈴の音が聞こえなくなるまで遠くに逃げているわけではないでしょう? 熊が安全圏内だと思う距離を取ることが重要なのかな、と。 ただどのくらい距離が離れればいいのかはわかりません。個体にもよるでしょうし、開けた場所かそうでないかにもよるでしょう。 子熊を連れている母熊の場合にはその距離はより長く考えておく必要もあるかもしれません。 母熊は神経質になっているだろうし、子熊は子熊で人間に対する恐怖心も薄いだろうし、逃げるとしても足が遅いから母熊が安全と考える距離に退避するまで時間もかかる。母熊は人間から離れようとしているのに子熊が人間に近づいた結果威嚇する行動を動画ではよく見ます。 親子連れには注意。ですが、子熊が親離れするには1~2年かかるので1年中親子連れに遭遇する危険があります。なので親子連れに特に注意し対策するというのも難しい。 しっかり鳴っているか? 自分もそうですが、ザックに熊鈴を付けていてもどこかに引っかかっていたり、付ける場所が悪くて良く鳴っていないことがあります。これでは意味がないですね。 釣り人が良く言うのは川の音で鈴の音がかき消されるのではないか?ということ。 でも、自分が川に立ち入って釣りをしている時でも林道を歩く人の鈴の音や話し声はよく聞こえるのでそんなことはないような気もするし、熊は耳がいいらしいのでなおさら。 よほど水量のある滝のそばとかなら別でしょうが。むしろ釣りをしている最中は立ち止まっているので鈴が鳴っていないと考える方が自然でしょう。 自分は釣りの時にはバッグの手前に鈴を付けて竿を振っている時も時々鳴らしています。格好は悪いですけどねw 熊の逃げ道を考える 熊は人を怖がるものだ、存在を知らせれば基本的に逃げていくものだ。とするなら、逃げ道を作ってあげないといけないと思っています。 両側が切り立った崖、下から自分が鈴鳴らしながら登っていき、別の登山者が上から鈴鳴らしながら下山してくる。仮にこんな状況だったとしたら熊は挟まれたと思って攻撃してくるでしょう。登山ではなく釣りですが、このような状況で被害に遭われた方がいた例があります。 なので、歩くときは地形も考え、逃げ場が少ないようなら入る前に鈴を意識的に強く鳴らしてしばし立ち止まり耳を澄ませています。 登山道を歩いていると「(寄り道すると)少し先に見所があります」なんて看板も良く見かけますが、先に紹介したアイヌ本によると熊は人間を見ると隠れて人間が通り過ぎるのをやり過ごすようなので、逃げ場がなさそうなら行かないようにしています。 また同様の理由で、それなりに人の多い登山道なら別ですが、単に前後に人がいるというだけで鈴を鳴らすのを止めることはしません。 自分が釣りの最中に熊を見た唯一の事例、宮城県のある渓でも、恐らく熊は自分が去るのをやり過ごしていたんだろうと思います。その時に自分の後ろから鈴を付けていない釣り人がやってきたら。。。 自分の熊鈴 さて、自分が使っている熊鈴は2つです。 1つは登山ザックに装着しているもの。 現在のものは2代目で3000円ほど。初代は8年くらい使用したかな?鳴りが悪くなって同タイプのものを買い換えました。 もう1つは岩手の南部馬具職人が作っている真鍮製の熊鈴。渓流釣りで使っているものですが、北海道や東北の一部など熊の脅威が高いところの山歩きでは上の熊鈴と併用しています。 お値段ですが、やはり高くて直近でamazonで調べると7000円ほどでした。25年前は5000円くらいだったような気が、、、うろ覚えですけどね。 とは言え、耐久性があるので一生使えることを考えれば安いと思います。 熊鈴は、もちろん100%の対策ではありませんが、安価で有効な熊除けのツールだと思っています。 6.熊対策②遭遇しないために、熊鈴以外の手段 音を出すということが有効であるとして、熊鈴以外にも色々と考えられます。 声を出す 一般によく言われている対策です。 昨年行った知床五湖で入山前に講習を受けた講習では「熊除けのために時々声を出してください、こんな風に」と実際に見本をみせていただくのですがその声の大きいこと。自分には無理w 周りの方は「ほいほーい」と声を出しながら歩いて行かれていましたが、自分は熊鈴鳴らしながら歩きました。 1人で歩かない ソロでいかない、ということも良く言われます。熊除けとしてだけではなく、遭難対策としても言われていますね。 が、自分はソロ率9割。自然観察や写真撮影など自分のペースで歩きたいし、多少の悪天候でも実行するという人と一緒に行くのは絶対無理なのでこの対策は採りたくありません。 登山者が多いタイミングを狙って実行することはあります。例えば羅臼岳。昨年2023年の8月に登ってきたのですが、ヒグマの生息密度日本一とも言われる知床ということもあり登山者が多いであろう8月の土休に実行することとしました。 これを見ると土休と平日であまり違いはないようにも見えますが、登山者が多ければ目撃される可能性も高くなります。登山者数で除してやり、さらに長期のデータをとってみないといけないのかもしれませんが、そもそも重要なのは目撃数ではなく被害に遭うリスクの程度ということ。大人数で歩くというのは恐らく有効なのでしょう。 ラジオ 熊対策の1つとして良く言われていますし効果があるのかもしれませんが、自分は携行していません。 熊鈴で十分だし、自然の中を歩くのには正直うるさい・興ざめというのがあるのですよね。かなり昔に読んだ本では天気情報をラジオから得られるというメリットもあると書かれていましたが、現代では天気は現地でネットで調べれば足りるかと。 ホイッスル 熊鈴と同じで効果はあるのでしょうが、何度も吹き続ける必要があるので疲れますw 使った後に洗う必要もあるので面倒でもあります。 滑落したとかの緊急時に使用するものとしては熊鈴よりは有効かもしれません。ホイッスルより緊急性を人間に対してはアピールできるはずです。 自分は保有していますが山小屋泊用のザックに入れっぱなしで、熊対策としては実際に使ってはいません。 電子ホイッスル ホイッスルは自分で鳴らす必要がありますがこれは電池で鳴らすもの。楽ですw 自分はかつては北海道の登山遠征に持って行っていましたが、熊鈴で十分かなと思い2021年の遠征以降は持って行っていません。 釣りの時は藪漕ぎをすることもあるので携行していますが、山歩きで自分は藪漕ぎはほぼしないので熊鈴で足りるかと。携行した方がいいのはもちろんですが、荷物を少なくするというのも登山での安全には重要ですからね。 爆竹 釣りの世界では使う人を時々見ますね。 でも登山ではどうだろう?登山は基本的に長い距離を歩くから1回の山行で何度も使う必要があるので実用的でない気がします。 また北海道遠征などでは飛行機で持って行けないので現地調達して使い切る必要があり面倒。自分は使ったことがありません。 7.熊対策③遭遇しないために、聴覚以外に訴える手段 以上は音で熊にこちらの存在を認識してもらう手段です。 では、嗅覚に訴えるのはどうなんだろう?熊が嫌いな臭いがあるのだとすれば熊対策として有効ですね。 例えば、タバコ・ハッカ・蚊取り線香。 長年釣りを共にしてきた知人はタバコを吸い、また虫除けとしてハッカを多用する人だったのですが、タバコやハッカの臭いは鼻のあまり良くない自分でも結構遠くからわかるので、嗅覚の優れた熊ならばもちろん認識できるのでしょう。 熊がこれらの臭いを嫌うのかどうかはわかりませんが、でも熊が好き好んで近づく臭いではないでしょうし、虫除けの効果はあるのでしょうから使用する意味はあるはずです。 視覚的にはどうか?熊は視力が良くないようですが、蛇が嫌いという話が先に紹介したアイヌ本にあります。 「オニヤンマ君」の熊バージョン的な発想。もちろん効果は期待していませんでしたけどねw あと、熊は生きている動物を襲うことだってあります。 30年くらい前だったかな?北海道層雲峡でヒグマが鹿を襲う映像がTVで流れていたのは衝撃だったし、昨年11月には滋賀県でツキノワグマが子供のカモシカをハントする映像がTV等で紹介されていましたがこれもかなりの衝撃でした。 というわけで、四つん這いで歩かないとか、鹿やカモシカのような色の服を着ずビビッドな色の登山服を着た方がいいのかもしれませんよ( ゚д゚) 8.熊対策④熊鈴の限界 熊鈴が有効であるとしても100%遭遇しないとは言えません。あくまで遭遇リスクを減少させる有効かつ安価な手段だということです。 今後熊鈴が有効でない状況、その確率が高くなってくるのだとすれば、その時は登山や渓流釣りは辞めないといけないと思っています。 それから人を襲った熊が出たところには行かないということですね。 人間が弱いことを知ってしまった個体だから恐怖心はなくなっているだろうし、場合によっては人間が持っていた食物、さらには人間を食べている場合もあり、その場合は餌として認識し執着することも考えられます。熊鈴が無効どころか、むしろ熊を吸い寄せて逆効果にもなりかねない状況で極めて危険。 自分は最低限、TVやネット等で出没情報をさらっと調べてから山に向かう程度はしています。 目撃されたかどうかではなく、実際に人に被害が及んだかどうか。単に目撃されたというだけでその山域を歩かないということはありません。たまたま目撃されたというだけであって目撃されない熊だっているでしょう。 9.熊対策⑤遭遇してしまったとき 投げ倒すとか、眼を突くとか、ナイフで喉を刺すとか、武勇伝的な要素の強すぎる対応はここでは除外します。自分には無理(笑) するとやはり熊スプレーでしょう。 その熊スプレーですが、かつては自分も所有していましたが現在は使っていません。 価格が1万円以上はするので高いということもあるし使用期限もある。盗難防止・保管中移動時の誤噴射防止・廃棄処分などの管理も面倒。 昨年登山者が移動中の新幹線車内で誤って噴射してしまった事故がありました。その方はその後書類送検されてしまっていましたね。 この辺りは管理をしっかりやればいいだけの話かもしれませんが、やはり実際に襲われたときに噴射できるのか?実践的に有効な手段なのかというところが大問題だと思うのです。 熊が5m程度にまで近づいたタイミングで噴射する必要がありますが、かなりの恐怖心がある中で冷静に噴射のタイミングを見極められるのか。しかも熊はああ見えて動きが速い。噴射するとして一発勝負だというプレッシャーもある。 檻に入れられている熊に向かって噴射するのはできるけど、自然の、そういう状況下で的確に噴射するには事前に訓練しておくことが必要だと思うのですよね。 自分が風下にいる時は噴射しても熊に届かない可能性もあります。ですが風下にいる時は獣臭がかなりするはずだから、こちらが気付いて対処すればいい。 逆に自分が風上にいる時には鈴の音や臭いで熊の方が気づいてくれるでしょう。 熊鈴持っていながら熊スプレーを使う状況になるのかどうか? 実際にスプレーで撃退した事例をほぼ聞いたことがないということもあります。情報を積極的に漁っているわけではないのですが、自分が知っているのは熊研究家として有名な方と昨年北海道で熊生態調査をされていた方が調査中に襲われて使用した事例くらい。いずれも専門家ですからね、熊に対峙した経験もあるだろうし、噴射の練習もしていたかもしれません。 熊スプレーに意味がないと言っているわけではなく、熊鈴など予防的手段を講じたうえで追加で携帯するのならわかるのですけどね。 熊鈴など持たずに熊スプレーだけで足りると考えている人は、ウィリーウィリアムス並みの強靭な格闘家か、ゴルゴばりの冷静沈着な狙撃手か、ただの漫画脳なのか。 10.最近の熊 最近の熊のトレンド?として2つ言われています。 1つは冬眠しない熊。 本稿は1月からぼちぼち書き始めているのですが、書きながらTVを見ているとちょうど北海道小平町や新潟県・岩手県・秋田県で熊が出たというニュースが流れていました。群馬では貨物列車と熊が衝突して熊が死亡したというニュースも。1月なのに熊が出没するのです。 冬眠しない熊の存在は最近に始まったことではなく、例えば大正期の三毛別の事件は12月に起きたものです。が、今シーズン(23-24冬季)は特に多く目撃されているようです。 なぜ冬眠しないのか? 餌が少なく冬眠に必要な栄養を体に蓄え切れていないからだとか、温暖化が原因だとか、肉食化した熊は冬でも餌を求めて活動するとか、色々言われているようです。 理由はよくわかりませんが、山歩きをする者としては夏だけでなく冬の里山歩きでも熊との遭遇リスクを念頭に置いておく、というだけの話かと思っています。 もう1つは市街地に出没する熊の増加。山林ではなく市街地に出没するからニュースにもなるし、人々の関心も高くなるというもの。最近「アーバンベア」という言葉をよく耳にするようになりましたね。 令和5年度の秋田県の熊出没MAPを見ましたが、市街地でかなりの数目撃されているのがわかります。昨年10月の北秋田市の中心部でも出没し、自分も何度か通ったことがあるのですが「まさかこんなところに」と思うような場所でした。 そんなところに住んでいる方の不安は相当なものでしょうが、山歩きで訪れる場合ももちろん心配。 ですが、このケースはなかなか厄介かと思っています。地方の里山でスタート地点に民家・農家があり、熊の餌になりそうなものが普通に置かれている。 熊の危険があるから熊鈴鳴らそうかとも思うけど民家があるから気が引けるし、餌に執着し人慣れしている傾向が山林に棲息する熊より強いのでしょうから、そもそも熊鈴鳴らしたとして効果があるのかどうか? 今のところあまり有効な対策を見出せないでいます。 直近で実際に出没した地域には行かないとか、予想される登山者の数などを斟酌して実行の可否を判断するくらいでしょうか。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 以上、熊対策のことをゆる~く語ってみました。 自分は登山において動物観察も重視しているので、できれば熊鈴は持ちたくはないのです。 熊鈴つけずに山を歩くこともあるのですが、明らかに動物との遭遇率が高くなりますからね。 ただ、熊の被害を考えるとねぇ。。。 熊に襲われて大怪我を負った方もリアルに、あるいはネット・TV等を通して知っていますが、顔面をバサッとやられますからね。 悲惨ですよ。
#
by yama-tono
| 2024-03-16 07:00
| 登山あれこれ
|
ファン申請 |
||